通信制高校と全日制高校の違いが分かる?それぞれのメリットをご紹介
公開日:2023/02/15 最終更新日:2023/02/01
通信制高校と全日制高校の違いについてご存じでしょうか。現代は、自分らしさや将来やりたいことを考慮して高校を決定する動きがあり、高校にも多様化が求められています。この記事では、多様な制度の高校を検討できるように、通信制高校と全日制高校の違いや、メリット・デメリットについて解説しているため参考にしてみてください。
通信制高校と全日制高校の違い
通信制高校と全日制高校の違いはさまざまです。それぞれに強みがあり、高校に求めるものに応じて選択しましょう。
入学方法
通信制高校は書類選考、作文、面接で入学試験が行われる一方、全日制高校は3教科、または5教科の試験を受けて選抜されることが多いです。入学試験だけで見た場合、通信制高校は人柄重視で、全日制高校は学力重視であるといえるかもしれません。
入学時期も違っています。通信制高校は4月、または10月であることが多く、1年間いつでも入学が可能な高校もあります。一方、全日制高校は4月の入学です。
通学頻度
通信制高校は学校によって週1日から5日であることが多く、年間数日間の合宿形式を取る場合もあります。1日のコマ数は単位制であるため決まっていません。アルバイトなどの自分のスケジュールに合わせて、卒業に必要な単位を取得していくシステムを取っています。
一方、全日制高校は週5回です。1日5時間から8時間の間で授業が行われることが多く、1年通してほぼ変わることがありません。
指導方法
通信制高校は単位制であるため、集団授業の形をとりません。少人数制で個別授業を行っており、生徒のレベルに合わせた授業を行っています。個別授業であるため多様性のある学習が可能です。また、専門分野の教育を多く行っているという特徴があります。
一方、全日制高校は集団授業の形態を取ります。多くの生徒と同じ授業を受け、一定の成績を収めることができない、また出席日数が足りない場合は留年し、卒業が遠ざかるというシステムです。画一的なプログラムで教育を行い、効率的に学力を高めることが可能です。
通信制高校のメリットとデメリット
通信制高校は、入学方法は人柄重視であり、多様性がある教育形態が特徴です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、よく考慮して入学を決めましょう。
メリット
通信制高校の最大のメリットは、自分のペースで学習できることです。卒業に必要な単位数のみが決まっており、1日単位、1か月単位で必須となるコマ数が決まっていません。そのため、時間がある時に単位を多く取得し、体調不良などで学習が難しいときには単位取得を少なめにする、といったことが可能となるのです。
このことは、仕事をしながら通うのに好都合です。繁忙期などで忙しいときに無理して学習しなくてもよいため、働きながら学びたい生徒には通信制高校がマッチします。
また、通信制高校は、専門性のある学習が可能です。美容、音楽、料理、英語など、専門的な技術を得られるプログラムが用意されているため、上手に活用することで幅広い知識や経験が身につくのです。
通信制高校の単位取得は、全日制高校に比べ難易度が低い傾向がありますが、全日制高校の卒業生と同じ、高校卒業の資格を得ることができます。アルバイトや大学入試の要件である「高卒以上」にも該当するため、学力が高くない生徒でも高校卒業の資格を得られることは大きなメリットです。
デメリット
通信制高校は単位制であり、自分のペースで学習できる反面、自主管理が求められることがデメリットです。自分で卒業までのマイルストーンを決め、計画的に学習していくスタイルが求められるため、自己管理できることが重要です。
公立の通信制高校の卒業率は40%ほどといわれており、卒業までのスケジュールングは想像よりもはるかに難しいといわれています。
また、生徒同士の関係が希薄であることもデメリットです。自分のペースで学習できるということは、ほかの生徒との時間が合いにくいということです。交流の機会が少なくなるため、多感な時期に友達との交流経験を得ることができないのは、他人と協働する機会の多い社会人になったときに不利に働きます。
加えて、学習内容が全日制高校と比べてやさしいため、学習能力が劣りがちであるというデメリットがあります。通信制高校の入試が人柄重視であることは、学力が不足している生徒にも広く門徒を開いていることに由来します。
学力が不足しがちであるため、大学進学を目標にしている生徒にとっては、ほかの学習手段を検討する必要があるかもしれません。
全日制高校のメリットとデメリット
全日制高校は日本中に多くあり、一般的な高校といえるでしょう。均質に高い学力を身につけることができるなど、多くのメリットがある形態です。くわしく解説していきましょう。
メリット
全日制高校の最大のメリットは、均質な学力を得ることができる点です。1日は朝から夕方まで、週5日のカリキュラムでみっちりと学力を鍛えることができます。授業のコマ数の多さから、全日制高校は通信制高校よりも学力が高い傾向にあります。
また、イベントが多く、充実した青春時代を過ごすことができるのも全日制高校のメリットです。体育祭、文化祭、部活動など、多感な青年期に多くの集団活動を経験することで、一生の思い出を作ることができます。クラス単位や学年単位での行動が多く、集団活動が多いことから、友達も作りやすいです。
デメリット
全日制高校は、自分のレベルに合った学校に入学できなかった場合、適切な学力を身につけることができません。自分の学力よりも高すぎる高校に入学した場合は、勉強について行けず、留年を繰り返す可能性があります。
また、レベルが低すぎる高校に入学した場合、希望する大学の入試を突破するための学力を得られないことがあります。また、1日のほとんどの時間を学校で拘束されることになるため、自由な時間が取りづらいこともデメリットです。
まとめ
通信制高校と全日制高校の違いや、メリット・デメリットについて解説しました。近年は多様性が認められる世の中です。高校選択の幅は広がっているため、固定観念にとらわれず多くの高校を検討してみましょう。
それぞれに特徴があるため、自分の望む高校生活に近い、メリットが大きい高校を選択すべきです。通う高校を検討する参考になれば幸いです。