不登校はなぜ起きる?理由を知って乗り越えるきっかけを探そう!
公開日:2022/10/12
今日はなんだか身体が重い、学校に行っても楽しくない、ベッドから出られない、皆さんも似たような経験をしたことはありませんか?実は誰もが感じたことのある「無気力」こそが、不登校の理由としてもっともあげられています。不登校が起こる3つの要因と、乗り越え方について解説します。
不登校を放置するとひきこもりに発展するかも…?
不登校とは、病気や経済的な理由を除き、年間30日以上学校を欠席した状態を指します。ひきこもりとは、家族以外の人間との関わりがなく、6か月以上社会的参加をしていない状態を指します。外の世界とのつながりが薄れるという共通点から、不登校はひきこもりに発展する可能性があると危惧されています。
不登校とは
文部科学省が定める不登校の定義は「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者。ただし病気や経済的理由による者を除く」とあります。
この定義からも推測できるように、不登校の要因はさまざまで複雑です。外部とのコミュニケーションが減ることで、焦燥感や孤立感を感じ殻にこもってしまうケースが目立ちます。
不登校やひきこもりの原因の約半数を占めるのは無気力・不安。次いで、生活リズムの乱れ・あそび・非行です。原因の詳細については、後ほど詳しく説明します。
不登校統計
少子高齢化が進む日本ですが、不登校児童の数は増え続ける一方です。文部科学省の「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小中学校における不登校児童の約半数以上が、90日以上の欠席をしています。
高校では約半数が、90日以上の欠席・退学・留年をしています。高校では退学の割合がもっとも高くなり、在籍を保つことも容易ではありません。不登校の割合は全体でみると小中校いずれも5%以下ですが、都道府県別の1,000人あたりの不登校最多生徒数で見るとどうでしょう。
沖縄県の小学校で15.3人/1,000人、高知県の中学校で50.5人/1,000人、滋賀県の高校で24.6人/1,000人となっています。不登校がいかに身近なものであるかが分かるとともに、欠席が続くとその後の出席にも大きく影響することが示されています。
不登校を放置するとどうなるか
不登校の放置が心身に与える影響はさまざまです。気持ちを言葉で伝えることが難しくなったり、体調不良が続いたり、悪化すると自傷行為におよぶ可能性もあります。
不登校には理由・原因があると思われがちですが、不登校になった本人も理解が追いついていないケースもあります。集団行動を苦手とする気質が、実は適応障害やADHDに当てはまる可能性もあるからです。
できるだけ早い段階で異変に気付き、広い視野をもって向き合う必要があります。
不登校になってしまう主な原因は?
不登校の原因は、学校要因・家庭要因・本人要因に分類できます。不登校のきっかけが特定できるケースは少なく、実際には複数の原因が絡まっています。
たとえば、風邪を引いたときの症状を思い出してみてください。最初は喉の痛み、次に熱が上がり、鼻水が出るようになります。経過とともに症状は変わっていきますよね。
そして原因を思い返してみると、薄着だったから、外にいる時間が長かったから、そういえば先週から元々調子が悪かった、なんて記憶が曖昧なこともあります。
原因の追及も重要ですが、症状を緩和させるためには正しい処置が必要です。まずは目の前の症状を和らげてから、時間をかけて原因に向き合いましょう。
学校要因
学校での人間関係や学力レベルへの不安が原因になることがあります。いじめ・人間関係・学業不振・入学や進級時などの不適応が、学校要因にあたります。保健室登校・特別支援学級・転校・オンライン学習・家庭学習・留学など、環境を変えるのもひとつの選択肢です。
家庭要因
家庭環境や家族関係への不安が原因になることがあります。家庭内トラブル・不安定な生活環境などが、家庭要因にあたります。家族だからこそ甘えたり気を使ってしまったりすることがあるので、心のうちを言葉にしてコミュニケーションをとることが大切です。
本人要因
個人の情緒的混乱や素行不良が、本人要因にあたります。不登校の原因でもっとも多いのが情緒的混乱ともとれる、無気力です。小中学生では46.9%、高校生では37.7%が不登校の理由として無気力をあげています。会話の中から解決の糸口を見つけましょう。
復学しやすい環境・学びやすい環境を作ろう
復学を目指し学力の維持に力を入れるのであれば、通信制の学校や家庭学習がおすすめです。近年のインターネットの普及にともない、オンラインでの学習が一般的になってきました。映像学習を優先することで自宅学習の割合を増やした通信制の学校もあります。通学のハードルが低くなるので、学習意欲がわきやすい仕組みになっています。
まとめ
不登校の原因特定は難しく、複数の要因が絡んでいる可能性が高いことが分かりました。また不登校の約半数が90日以上の欠席を続け、ひきこもりにつながるケースも多くみられます。
不登校の原因を追及するだけでなく、児童の様子や症状に向き合う必要があります。通学にハードルを感じる場合には、自宅学習をメインとした通信制学校に切り替えるなど、環境を変えることも検討してみてください。