通信制高校は単位制が多い?単位制の仕組みや学年制の違いを解説

公開日:2023/04/15  最終更新日:2023/02/24

高校の学習システムには2つの種類があるのをご存じでしょうか。高校生になれば、中学生のころには考えもしなかった2つの制度を利用しながら学んでいくことになります。制度については何となく知っているけれど、仕組みや詳しい違いについてなどは分からない、と悩んでいる人のために、今回は仕組みや違いを解説しましょう。

通信制高校に多い単位制の仕組み

日本では高卒資格取得には、文部科学省により定められた74単位以上の取得が必要であるという決まりがあります。これは全日制、定時制、通信制どの学校でも共通事項なのです。それにより学校側が採用している制度が、学年制と単位制という制度になります。

自分のペースに合わせて学習できる

通信制の高等学校では年齢層が違う、働きながら学ぶなどさまざまな人が集まるため、1年間で取得しなければならない単位数は定められていません。各自のペースで計画を立てて単位取得を目指していけばよいのです。

たとえば、1年目、2年目に各25単位ずつの50単位を取得しておき3年目に24単位取得すれば3年間で卒業できます。

取得した単位は動かせる

単位制という制度については、通信制高校や定時制高校のみならず平成5年頃からは一部の全日制高校でも導入され始めました。高校卒業に必要な74単位以上を3年以上の時間で取得すれば卒業資格が得られる仕組みです。

そのため、何らかの理由により全日制高校や定時制高校から通信制高校へ転校になった場合にも以前の学校で取得した単位を引き継げる可能性があります。

単位制と学年制の違い

日本の制度では、高等学校の卒業資格を得るために74単位が絶対に必要であることが分かりました。では、単位取得のために活用される制度がどのように違うのか、簡単に解説します。

単位を取得するための方法

全日制や定時制などでよく採用されている制度が学年制と呼ばれる制度です。中学校までと同じ形式で1学年ごとの進級になりますが、1年間で学ぶ科目が決められています。ひとつでも単位を落とせば留年となり同じ学年をもう一度すべてやり直しになってしまうのです。

もう一方の単位制は、通信制高校の学校で多く採用されている制度になります。ひとつの科目に対する学習成果や評価など決められた単位を取得すれば次の学習へ進んでいく制度になります。単位制には卒業のために必要である単位に対しての取得期限に規定がないので、3年以上の時間をかけて必要な単位を取得すればいいのです。

また、学習内容が修得できているか確認するための定期的なレポート提出が必要となり、レポート提出以外にも単位認定試験を受けて合格しなければ単位を取れません。

学習時間やコース選択時期に違いがある

一般的に多く学年制で学習が進められていく全日制や定時制の高校では、各学年と共に授業内容や時間割が決められている場合が多いでしょう。また、進級時には進むコースを始めに選んで学習を進めていきます。そのため、途中でのコース変更ができず、卒業するまで選んだコースで学習していくのが一般的です。

では単位制ならばどう変わるのか、気になるところでしょう。単位制の場合には得意科目や好きなコースを自由に選べ、進む先が変更になれば途中で学習するコースを変更するのも可能なのです。

登校日数が違う

基本的に3年間は毎日が登校日である全日制高校や定時制高校に対し、通信制高校では公立や私立、学校により異なりますが週に一度、または最低でも2週間に一度だけ登校すればよい学校もあります。全日制高校や定時制高校よりも登校日が少なくラクだと感じられますが、登校日が少ない分必ず登校日には出席しなければ単位が取得できない恐れもあるため、注意しておく必要があります。

通信制高校の単位の取得方法

全日制や定時制の高校では学年制を採用している場合が多く、基本的に毎日の出席が必要です。毎日の授業に欠かさず出席して単位を取得していき進級が決定します。ではもう一方の登校日が少ない通信制高校では必要な単位をどのように取得していくのか、解説します。

レポート提出と単位認定試験を受ける必要がある

通信制高校での学習は学校にもよりますが、主に自主学習が基本です。各科目で決められたレポートを自宅で作成し、スクーリングと呼ばれる授業へ出席しレポートを提出、単位認定試験を受けて合格すれば単位が取得できます。卒業までこのような取得方法で単位取得を繰り返していくのが通信制高校での基本です。

ホームルームや学校行事へも参加が必要

通信制高校を卒業するためには74単位の取得が必要ですが、別にホームルームや学校行事などへの参加も30単位は取得しなければなりません。全日制高校でのホームルーム活動が年間40時間ほどなので、通信制高校での30単位は少ないと思えるかもしれませんが、卒業資格を得るためにはとても大切な30単位になるのです。

まとめ

学年制と単位制の制度について解説しました。高等学校では学校によりどちらかの制度が採用されて学習が進められています。現状では通信制高校や定時制高校などの学校で単位制が多く取り入れているのです。

高等学校ではどの学校を選択しても74単位の壁がたちはだかり、避けられない問題でしょう。自分の学習しやすい方法や続けられそうな学校を選ぶのが卒業への道ともいえます。大切な将来のために時間をかけてゆっくり選ぶのが大切でしょう。

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