通信制サポート校とはどんな学校?通信制高校とは何が違うのか解説!
公開日:2023/02/01
通信制高校を検討している方、通信制サポート校をご存じでしょうか。通信制高校の生徒に向けて、多彩なサポートを行い、卒業に導く機関です。また、高等学校では実現できない、専門的なスキルを習得できるメリットもあります。この記事では、通信制サポート校とはどんな学校な学校なのか、くわしく解説しているため参考にしてください。
通信制サポート校とは
通信制高校の生徒向けのサポート機関を指します。通信制高校と連携し、3年間で卒業に必要な単位の取得を目指して勉強や精神面の支援を行います。
教育内容は多様で、難関大学へ進学を目指すコースや、美容や料理など、専門的な学習を行うコースなどが存在します。うまく活用することで、通信制高校だけでは得られない学力や技能を身につけられ、将来に向けて多彩な選択肢を増やすことができます。
通信制高校との違い
通信制高校とは、学費や学習内容などが違っています。押さえなければならない決定的な違いがあるので、必ず理解しておきましょう。
単独では高校卒業資格を得られない
通信制サポート校は、通信制高校に通う生徒をサポートする機関であり、厳密には高校ではありません。学校教育法に定められた「高等学校」に該当しないことがその理由です。
通信制サポート校に入るだけで高卒の資格を得ることはできず、通信制高校にもあわせて入学する必要があります。前提として、高校ではなく、通信制高校の生徒に対して、勉強や精神面でのサポートを行う機関であるということを覚えておきましょう。
学費がかかる
通信制サポート校に入学すると、学費が必要です。通信制サポート校は高等学校と見なされないため、単独では高校卒業の資格を得られません。通常は通信制高校にも同時に入学します。両校の学費を負担することになるため、通信制高校のみに通う場合に比べ学費は割高になります。
ここで、通信制サポート校で学ぶ費用の例を挙げてみましょう。通信制サポート校での学費は、多くて120万円が1年間でかかるといわれています。公立の通信制高校の場合は、入学から卒業までで約10万円ほどであり、私立の通信制高校は、1年間で20万円から80万円ほどになることが多いです。
通信制サポート校は、通信制高校に同時入学することになるため、その費用に20万円から120万円を加算した額が、必要な学費です。かなり学費がかかることがわかると思います。選択するコースによっては学費を抑えられるため、自分に必要なものは何なのか、費用対効果を考慮しながら賢く活用しましょう。
学習内容
学習内容は、画一的な通信制高校とは違って多様性に満ちています。通信制高校は、法律に基づいた「高等学校」の位置づけであるため、基本的に学習内容は全日制高校と違いがありません。
一方、通信制サポート校は「高等学校」と見なされていないため、指導方法に縛りが少なく、特色のある学習プログラムを設定できるのです。プログラミングや美容、料理など、専門学校のような学習を受けられる場合や、大学への進学を見据えた、受験対策の指導を受けられる場合があります。
また、自宅学習が基本となる通信制高校では実施しづらい、文化祭などのプログラムを楽しむこともできます。専門性に長けたプロフェッショナルとなることが、生涯年収を上げる鍵とされているため、就職を控えた高校生にとっては非常に有益な教育になるでしょう。
また、中には、文化祭などの学校行事を多く取り入れる通信制サポート校も存在します。学生時代しか味わうことができない学校行事は、一生の思い出になることが多いです。
通信制高校は自宅学習が基本であるため、生徒同士の交流が少なくなりがちです。そのため通信制サポート校で学校行事を補足し、生徒同士の交流を補完することによって、全日制高校と遜色のない学校生活を送ることができるように工夫しているのです。
通信制サポート校を利用するメリット
通信制サポート校をうまく活用することで、通信制高校では不可能な、さまざまな経験を積むことができます。くわしく確認していきましょう。
多岐にわたるサポートを受けられる
学習やスケジューリング、メンタル面など、多岐にわたる細かなサポートを受けられます。そのサポートは、卒業するのに大変重要な役割を果たします。
通信制高校においては、卒業までの綿密な学習計画が重要であり、自己管理が必須です。しかし、高校生のうちから徹底した自己管理を行うことは非常に難しく、3年間での卒業率は20%から30%であるといわれています。
通信制サポート校は少人数制での管理体制を敷いている学校が多く、生徒の勉強の進捗などを管理することが容易であるため、3年間で卒業しやすいというのが大きなメリットです。提出物のスケジュール管理や、勉強のアドバイス、テスト対策などを行うことで、勉強面で遅れないようにサポートします。
自宅での自己学習が基本である通信制高校の生徒は、相談する相手が豊富ではなく、勉強においてわからないことを質問しづらい環境に置かれています。相談やスケジュールのアドバイスを受けられることは、3年間での卒業に大きく貢献できる重要な要素になるでしょう。
また、不登校などで気後れしてしまう生徒に対し、登校のペースを調節するなど、サポート校側からの積極的な状況改善の働きかけを行っているため、無理のない範囲で学習を助けることができます。
カウンセラーを常駐させている学校もあるため、勉強だけではなく、精神面でのしっかりとしたサポートを卒業まで受けられるなど、卒業しやすい環境が整えられているのです。
幅広いスキル習得が可能
通信制サポート校では、バリエーション豊かな学習が可能です。法律に基づいた学校ではないため、独自に教育内容を設定できるのです。
通信制高校の勉強内容に加え、美容、アートなど、専門分野の授業を取り入れるなど、豊富なカリキュラムが用意されているので、さまざまな分野にチャレンジできます。さまざまな挑戦をすることで、考えもしなかった進路が見えてくることもあり、高校卒業後の進路に幅を持たせることが可能です。
また、大学受験のためのコースも用意されているケースもあるため、大学受験のための学力をつけたい生徒にもおすすめです。通信制高校は、学び直しに活用されることが多い高校です。学力に不安を抱える生徒が多いため、進学の希望があったとしても、諦めざるを得ないケースも見られます。
そんな生徒に向けて大学受験のためのコースが用意されていることは、心強い手助けとなるでしょう。将来の可能性を狭めないための豊富な選択肢が用意されているのです。
まとめ
通信制サポート校についてくわしく確認しました。学校教育法に定められた「高等学校」ではないため、通信制サポート校のみに入学しているだけでは、高卒資格を得られない点は必ず押さえておきましょう。
しかし、卒業に向けての手厚いサポートや、専門学校のようなカリキュラムを経験できるなど、多くのメリットがある機関です。通信制高校への入学を検討している方、多くのメリットがある通信制サポート校への入学を視野に入れておいてください。